障がい者雇用に関する情報

障がい者雇用に関する情報

障がい者雇用推進企業に聞く!
有限責任事業組合(LLP)にて企業がチームを組んで障がい者を雇用

東京原宿にある、華やかな花々や青々と茂る緑に囲まれた、おしゃれなカフェ&フラワーショップ。街を彩るこのお店「ローランズ」では、障がいと向き合う方々がイキイキ、キラキラと働く姿を見ることができます。その姿をみれば、ローランズの障がい者雇用が大成功を収めていることが分かりますが、その背景にはどのような取組みや考え、想いがあるのでしょうか。創業者であり、代表者の福寿満希さんにお話をお伺いしました。

今回お伺いしたローランズショップ原宿店

ローランズの取組みについて

事業内容
1.フラワー事業
フラワー/胡蝶蘭/観葉ギフト
ブライダル装花
空間装花 など
2.緑化事業
レンタル観葉
空間緑化装飾
ショップ販売 など
3.フード事業
カフェ
お弁当
お花屋さんのこどもごはん など
4.福祉事業
就労継続支援A型
就労移行支援
障がい者グループホーム など
ビジョン-目指す理想の姿・未来-

排除なく、誰もが花咲く社会

ミッション-果たす使命・存在意義-

色のある事業を通じてマイノリティの働くを彩る

“子供たちの夢を叶えることのできる場所をつくりたい”

こちらのお店について教えてください。

私が23歳の頃でしょうか。少々苦しかった時期があり、その時に花によって心が癒された経験があったのです。それをきっかけに、自宅の一角から受注生産でお花を届けるサービスをスタートさせ、4年後にこの原宿の店舗を開店させました。 障がい者雇用をスタートさせたきっかけは、私が学生時代に特別支援学校の教員免許を取得していたことにあります。当時、障がいと向き合う子どもたちの就職率は15%ほどしかなく、問題意識を感じていました。障がい当事者の働く場をもっともっと彩りたいと思い、フラワーサービスに障がい者雇用を組み合わせたのです。 フードサービスについては、美味しいだけではなく、花の色をモチーフにしたカラフルなスムージーなど、目でも楽しんでいただける、食べることのできるお花であるエディブルフラワーを取り入れたメニューの開発を意識しています。オープンサンドや軽食メニューなどもありますが、接客、調理、デリバリーといった全ての業務を障がいと向き合うスタッフが担当しています。

素敵な花と緑に囲まれたお店ですね。

花や緑がある空間ですと、リラックスの効果が25%上昇するという科学的なデータがあります。ここでは精神の障がい当事者の方が多く働いているんですけど、そのような効果が心の症状を抱えているスタッフの気持ちを整えてくれているとも思います。 この職場で働くことがみんなの前に進むきっかけになると良いなと思っています。例えば、小さい幸せに気付けるようになったり。ここには植物の存在があり、その変化に日々気付きます。昨日は固いつぼみだったけど、今日は満開に咲いている。これをスタッフ同士で共有すると、ふっと力が抜けて癒される瞬間が生まれるのです。

カフェスペースにもたくさんの緑が

本当にスタッフの皆さまは、イキイキとお仕事をされていますね。

この店舗は就労継続支援A型の認可をとっていますので、フラワーサービス、フードサービス共に働いているスタッフはA型の所属になります。また、今年の6月から横須賀で花の栽培がスタートしました。夏はヒマワリ、秋はマリーゴールド、冬はスイートピーなどの栽培をしているのですが、そこでは近隣の特別支援学校の卒業生を受け入れていく予定です。私が特別支援学校にいた時「いつの日か卒業生の受入れをしたい」と思っていたのですが、それを叶えることもできて嬉しく感じています。

店舗内にあるフラワーサービスの作業場はまるで舞台のよう

テキパキとカフェで働くスタッフの方々
このカフェでは、月・水・金曜日の夕方に子ども食堂として「お花屋さんのこどもご飯」を開催しています。そこでは、様々な環境要因によって家でも学校でもない第三の居場所を必要としている子どもたちに居場所を提供しています。その活動自体の運営を、障がい当事者に入ってもらうことで、支援を受ける側から、誰かに支援をする側にシフトすることを大切にしています。そこに目を向けることが、考え方を前向きに変えるきっかけとなります。 また、私が出会った特別支援学校の子どもたちは、「働く」ということに大きな夢を持っていました。そういった子供たちの夢を叶えることのできる場所をつくり続けていきたいと思います。

有限責任事業組合(LLP)の取組みについて

事業協同組合等算定特例」とは

障害者雇用率制度においては、障がい者の雇用機会の確保は個々の事業主(企業)ごとに義務づけられていますが、一定の要件を満たす場合に複数の事業主で実雇用率を通算することができる制度として、事業協同組合等算定特例(特定事業主特例)が設けられています。

※事業協同組合等算定特例について詳しくはこちらもご参照ください
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/dl/72.pdf


事業協同組合等算定特例を活用し、ローランズが中心となって
障がい者雇用に取り組んでいるウィズダイバーシティ有限責任事業組合(LLP)

図出典:ウィズダイバーシティプロジェクトHP
https://with-d.com/

ウィズダイバーシティプロジェクトについて教えてください。

有限責任事業組合(LLP)であるウィズダイバーシティ有限責任事業組合では、組合員となっている各企業の特例子会社のような位置づけで業務をしています。現在算定特例を受けた組合企業は7社ですが、今年13社になる予定です。仕事内容は、各企業に提示している60種類の業務から選んでいただきます。これらの業務は、各企業がもともと外注していたものであるので、当然高いクオリティが求められています。私たちの働いた内容が各企業の成長につながっていくように。引き続き奮闘していければと思います。

当プロジェクトでは有限責任事業組合(LLP)のモデルケースを作り、特に、経費資源の限られている中小企業がチームを組んで障がい者を雇用していくという形がさらに広がっていけば良いと思います。

ありがとうございました。

企業情報

◆株式会社ローランズ
◆一般社団法人ローランズプラス
東京都渋谷区千駄ヶ谷3丁目54−15 ベルズ原宿ビル1F
https://lorans.jp/

◆ウィズダイバーシティ有限責任事業組合
東京都渋谷区千駄ヶ谷3丁目54−15 ベルズ原宿ビル3F
https://with-d.com/